音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

Stoned Days(ストーンした日々).Ⅳ :The Rolling Stones (ザ・ローリング・ストーンズ)

2014.04.13

(前回から続く)

1965年に、僕は、高校2年生になっていた。

初めて「テル・ミー」を聴いた1年生の、どこかのんびりした空気は、身の回りから無くなり、学校は受験の準備一色で、志望の大学のコースごとにクラスも分けられ、進学指導の先生なんてのもいて、正直、訳が解らなかった。


東京の大学に行こうとだけ漠然と思ってはいたが、それも、東京に行けば、ラジオが鮮明に鳴る、レコード店が豊富に存在する、という理由が主たるものだったのだから、本当に救われない。

それというのも、この'65年、つまり高二の少年の時に耳にしたローリング・ストーンズの曲のあれこれが、あまりにも強烈で面白かったものだから、関心の90%位がそっちに向かっていて、これからの進学だの何だのは、どうだって良かったのである。