音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

Sheet Music. その3

2015.11.13

(前回から続く)1980年冬の京都で初めてインタビューしたダリル・ホール&ジョン・オーツ。

インタビュー中のメモを万年筆で取っている僕のペンを見て、ジョンが「それ、日本製のペン?そういえば、俺が初めて自分のペンを持ったのは15歳の時だ。シニア・ハイスクールに入った時に、親父がプレゼントしてくれたSheaffer(シェーファー)で、今も持ってるよ」と言った側から、ダリルが「俺は、ジュニア・ハイスクールの時から、親父のWaterman(ウォーターマン)を勝手に使ってたぜ。もうミュージシャンのアルバイトをしていたから、その日のギャラを貰う時にサインするペンが必要だったんだ」「またダリルが見得を張った事言ってるよ」とジョン。

まだツー・メン・ユニットといった言葉が無く、昔ながらのデュエットとかデュオに分類されていたホール&オーツだが、オフタイムの会話を聞いていると、フィラデルフィアやニューヨークの下町で育った人らしく、軽快でジョークも多い。まるで漫才コンビである。