音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

Sheet Music. その2 [3/3]

ジョンは、寺の門前街にある水墨画の屏風を熱心に観たうえで購入したり、相当日本の文化に興味を持つ姿を見せてくれた。

 東京に帰り、FM誌の瀬谷デスクに、上がってきた写真を見せ「ほら、僕のペンで、サインをしてくれてるんですよ」とやや興奮して説明したが「フーン」という返事だけ。

結局、誌面に載ったのは、ジョンとダリルが、骨董屋さんのおばあさん相手に、水墨画を熱心に値切っている姿の写真だった。

その時はガッカリしたが、今から振り返って思うと、ミュージシャンがサインしている姿の写真より、はるかに面白い。(次回へ続く