音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

ゴールデン・リングの中のネナ ② :Neneh Cherry (ネナ・チェリー)

2014.01.27

(前回から続く)

ネナ・チェリー(Neneh Cherry)の楽曲で記憶されているのは、前回に記した「バッファロー・スタンス」を始め、「キッシズ・オン・ザ・ウインド(Kisses On The Wind)」、セカンド・アルバム『ホームブルー/Homebrew』(1992年)から生まれたヒット「マネー・ラヴ」「バディX(Buddy X)」といったクラブのダンス・フロアーでうけそうなアップ・テンポのヒップ・ホップ・ナンバーがほとんどだろう。

Red Hot&Blue

また、後のマッシヴ・アタックを結成する初期のライヴ・ツアーのバック・ミュージシャン達にとどまらず、多ジャンルに渡る交遊も広い人なので、エイズ撲滅チャリティー企画アルバム『レッド・ホット&ブルー』('90年)に参加した時のコール・ポーター(Cole Porter:1920年代アメリカの作曲家。若くしてエイズで亡くなったが数多くの名曲を残した)の楽曲を取り上げた「I've Got You Under My Skin」や、セネガルの巨星ユッスー・ンドゥール(Youssou N'Dour)と共演した「7Seconds(セヴン・セカンズ)」等は“子供がこの世界に生まれてきて7秒間、肌の色や明るさは決まっていない”と、7秒後の人種差別を強烈に批判したメッセージもあいまって、現在でも、動画サイトを中心に人気。
ネナの代表作になっている。