音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

Fame. その8

2016.08.08

 (前回から続く)


 ナイル・ロジャース(Nile Rodgers)は1952年の生まれで、まだ60代の前半だから、あのクインシー・ジョーンズあたりと比べても、プロデューサーとして、この先も活躍しそうである。

実際、オランダのエレクトロニック・ダンス・ポップのユニットと組んで作った作品が、クラブ・シーンで話題を呼んだり、自身のグループCHIC(シック)の旧作「Everybody Dance」が再ヒットしたりで、今年2016年の春には、東京の老舗ジャズ&ソウル・クラブに来日、公演も果たした。

ステージングは、懐メロ・グループという感じでもなく、老いてますます盛ん、という感じで、やはり只者ではなかったんだなあ、と再認識させるものだった。

しかし、近年、前立腺癌の手術を何度もくり返しているので、ライヴ・ステージを続けるスタミナが落ちているのは確か。

無理をしないで、デヴィッド・ボウイとの『レッツ・ダンス』のような、あっと驚くプロデュースの仕事に専念してほしい、というのが正直な気持ちだ。