音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

存在の耐えられない重さ2 :Superheavy (ミック・ジャガー 前半) [2/6]

 ミックとローリング・ストーンズについて思い出したり、それを綴ったりしたらキリがないので、気が向いたときにそのつど書いてみたいとは思っているが…様々な音楽を聴く時、それが例えば、マイルス・デイビスであれ、ジミ・ヘンドリックスであれ、コールドプレイであれ、エンニオ・モリコーネであれ、エニグマであれ、心のどこかで、ローリング・ストーンズと比べておもしろいか、わくわくするか、みたいな気持ちが必ず存在していて、あの永遠のライバル、ビートルズの音楽を聴く時ですら、この不思議な物差や計測器が胸の中に登場してしまうので、正直、ミックやキース・リチャードやストーンズについての文章には、全く、責任が持てない。

従って、これまで40年弱、ストーンズについてほとんど書いたことがないのだ。


それじゃ、ストーンズのことを一番好きか?と問われると、そうだ、と即答できない…という微妙な気持ちが終始存在する。

なんとも困ったメジャー(巻尺)が、ずっと心の中にある、それが僕にとってのストーンズなのだ。