音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

存在の耐えられない重さ2 :Superheavy (ミック・ジャガー 前半)

2011.12.19

 ミック・ジャガーは、言うまでもなくローリング・ストーンズのフロントマンであるが、それ以上に、1960年代以降のロックのフロントマンである。

現在、ミックは、68歳の“高齢者”だが、いまだに、年代も環境も異なる人達と“おもしろそうだなぁ”と新しいバンドを組む好奇心と情熱を持っているから凄いと、素直に思う。

Superheavy(スーパーヘヴィ)の話題性は、ミックがストーンズとは別のバンドに参加した、というニュースに依存しているのは確かだが、そのミックが、決してバンドのフロントマンの役をやっている訳ではない事の方がもっと話題になってもいい。

アルバムを一聴したときにそう思った。

しかし、それにしても、半世紀近く、これだけフロントマンらしいフロントマンを続けている男は…音楽界に限らず他の世界を見渡しても、僕には、思い当たらない。