音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

存在の耐えられない重さ6 :Superheavy (デイヴ・スチュワート 後編) [1/3]

デイヴ・スチュワートは、ミック・ジャガーに、ローリング・ストーンズ以外のバンドを(スーパーヘヴィのこと)やろうと決心させるぐらいだから、それだけに着目しても、並の音楽プロデューサーではない。

きっと、相当に面白い男なのだろう。

そして、前回でも述べたが、ロックの一大革命期だった60年代後半に、まだ少年で、ポスト団塊世代に共通の“ちょっと遅れてきた感”がつきまとっている感触が常にあるし、その分マニアックで研究熱心の様子も作品から垣間見える。

病気がちで決して丈夫でない事…バンドの解散も多く、その維持に常に苦しんだ経験も豊か(?)な事…アイドル・グループ、バナナラマのシヴォーンと突然結婚('87年)したが10年ともたず離婚、その後、オランダ人の写真家と再婚(2001年)したが、それも破局、とあまり私生活も安定しない。

貧しいからそうなる訳ではないだろうが、住む所も、アムステルダム、ロンドン、ニューヨーク、ジャマイカのキングストン等よく変わる。

ヘアー・スタイルもよく変わるし、何より、サウンドもよく変わる。