音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

存在の耐えられない重さ6 :Superheavy (デイヴ・スチュワート 前編) [2/3]

 僕が、デイヴ・スチュワートの作曲やプロデュースの才能に最初に強く惹かれたのは、1986年の映画『殺したい女(Ruthless People)』のサウンドトラック盤で、そのメイン・タイトル曲「Ruthless People」を聴いた時だ。


ミック・ジャガーのソロ曲として披露されていたその曲は、ミックのパワフルなリード・ヴォーカル、強力なドラムスとゴスペル的な無伴奏のコーラス、ダリル・ホールの印象的なバッキング・ヴォーカル等、僕の好きな“黒人よりも黒っぽいソウルフルなR&B・ロック”に仕上がっていて、とてもニューヨーク・フレイヴァーないい曲だった。


今でも、とても好きな曲だ。

ただ、ベット・ミドラーとダニー・デビートが主演する、もの凄く面白いブラック・コメディーの秀作なのに、その傑出した主題曲の扱いがあまりにも普通で少しがっかり。

映画を観る前にサントラ盤を聴き、あまりにイレ上ゲルのも考えものだな、という事を学んだ。

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デイヴ・スチュワート

デイヴ・スチュワート

デイヴ・スチュワート

Ruthless People(サントラ盤)