音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

存在の耐えられない重さ6 :Superheavy (デイヴ・スチュワート 前編)

2012.03.12

 Superheavy(スーパーヘヴィ)は、デイヴ・スチュワートが、ジャマイカにある自宅に、ミック・ジャガーを招いて談笑している時に、バンドのアイデアが浮かんで、生まれたもの、と伝えられている。

この二人のロック談議なら、幾らでも新しいバンドの音楽的アイデアは生まれるだろう。

結局、デイヴの人脈からメンバーが集まり、それぞれに年代も音楽性も異なるメンバーの発する音をまとめ上げるプロデューサーとしてデイヴは機能する事になった。

デイヴ・スチュワート デイヴ・スチュワート デイヴ・スチュワート

 今年、日本流に言えば還暦を迎えるデイヴ・スチュワート(1952年、英国サンダーランド生まれ)は、アニー・レノックスと組んだユーリズミックス、80年代の成功で有名なギタリスト/作曲家/プロデューサー。

だが、それを離れても、現在のロックやポップスに、古典的な音楽の良さと伝統、とともに新風を、常に提示できるトップ・プロデューサーであり、ユーリズミックスを知らない世代には、むしろ、その印象の方が強いだろう。

ボブ・ディランやリンゴ・スター、ミック・ジャガー、ジョン・ボン・ジョヴィ、スティーヴィー・ニックス(元フリートウッド・マック)、ラモーンズ、ブライアン・フェリー、ダリル・ホールといったベテラン大物だけではなく、ロシアのギャル二人組t.A.T.u(タトゥー)やケイティ・ペリーといった若手のプロデュースも手懸け、ブリトニー・スピアーズやグエン・ステファニーといったギャル世代アイドルに楽曲も提供している。

まさに、トップ中のトップ・プロデューサーだ。