音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

存在の耐えられない重さ5 :Superheavy (ダミアン・マーリー)

2012.03.10

Superheavy (ダミアン・マーリー)

 年代差、つまり、ジェネレーション・ギャップというものは、避けようがない事だが、スーパーヘヴィ(Superheavy)のアルバムが登場した時、改めて、音楽を聴く感覚では特にその度合が強い事を意識させられた。

僕と同年代のロック・ファンは、当たり前だが、ミック・ジャガーが、ローリング・ストーンズとは別にバンドを組んで、何かやっている、どうやらレゲエやインド音楽までやっているらしい、という好奇心と戸惑いでアルバムを聴き、ブルージーなバラード「ネヴァー・ゴナ・チェンジ」がやっと7曲目に登場して、ああ、やっぱりストーンズはいいな、とホッとした…そんな人が多かった。

 逆に二十代から三十代初めの孫世代の知人たちに聞いてみると、「ネヴァー・ゴナ・チェンジ」はカッタルくって、ダミアン・マーリーの強烈なDJヴォイスで始まり、ジョス・ストーンのリード・ヴォーカルがバトン・リレーのように続く「ミラクル・ワーカー」のような曲がイケテる、というのがほとんどの意見…

どっちもイケテる、と思った中途半端な年寄りの僕などは、正直、FM番組で、スーパーヘヴィの楽曲を選ぶ時に、もの凄く迷い、困惑してしまった。