音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

存在の耐えられない重さ3 :Superheavy (ジョス・ストーン)

2012.01.28

 Joss Stone(ジョス・ストーン)は、その姓から、ローリング・ストーンズの誰かの娘だ、と思い込んでいる中高年の人も多いが、血縁的に何の関係もない。

同じイギリスの出身で、テレビの『スター誕生』みたいなコンテスト&オーディション番組で注目された時から、ストーンズのミック・ジャガーやレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ、ロバート・プラント等、英国ロックの大御所達が騒ぎ、その後、特にミック・ジャガーと、ライヴやレコーディングで共演する事も多かったから、そんな噂がたったのだろう。


 しかし、Superheavy(スーパーヘヴィ)で、御大ミックやダミアン・マーリィーと、堂々と渡りあって歌うジョスの歌声を聴いていると、ひょっとしたら、本当にミックの“隠し子”なんじゃないか、と思ってしまう事もある。

真偽は判らないが、ミックがこっそりと街のはずれに暮らしている秘密の彼女の所へ通う心情を歌ったストーンズの「Fool To Cry(愚か者の涙)」を、ジョスの声を聴く度に思い出してしまう。

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