音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

そしてオッケー! O.K! また、O.K! (ソウル・トゥ・ソウル : SOULⅡSOUL)[2/3]

ソウル・トゥ・ソウル (SOULⅡSOUL)のイメージ2

 その店…その名も“我々の値段”という意味のOur Price Record Shopの前に、大量に平積みにしている乱暴なまでのディスプレイのアルバムジャケットに目を奪われてしまった。

元々、ジャケットのアートワークを気にする方だが、そのジャケットには、日本流に言えば、掃除に使う西洋モップのような髪、つまり、ドレッド・ヘアーを頭頂でしぱった黒人の男が写っているだけで、レゲエのレコードを見慣れている身にとっては、別になんて事はないものだったのだが、何十枚も平積みにされている店頭の迫力と、店内から大音響で流れているジプシー・キングスの音、町全体に漂っている強い香辛料や香のミックスしたにおいなどの中で見ると、何か只者ではないアルバムに見えたのだ。


 SOULⅡSOUL(ソウル・トゥ・ソウル)のファースト・アルバム『CLUB CLASSICS VOL.ONE(クラブ・クラシックス・ヴォリューム・ワン)』 …タイトルやジャケットの雰囲気から、イギリスの黒人アーティストが、古いR&Bやディスコ・ヒットをカヴァーした名曲集かとも想像しながら、ただ、その夜の感覚の思い出にと思う動機だけで、中身も知らぬままにアナログLPとCDの両方を買ってしまった。