音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

Sheet Music. その1 [3/3]

 バリー・ホワイトのアルバム『シート・ミュージック』は、その遇然のライターのアルバイトの時にはまだ生まれていない作品だが、大きなベッドにかけられたシーツを、まるで大きな紙(シート)に見たて、そこに太書きの万年筆で書いたような手書きの曲名が並んでいるというジャケット・デザイン。

音楽的には、やや盛りを過ぎたが、愛の伝道師によるキワモノ・スイート・ソウルと万年筆の手触り感は、僕の初めての万年筆アルバイトの遇然を見事に伝えてくれる。(次回へ続く)