音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

ジョージのRellowな世界 ① :George Harrison (ジョージ・ハリスン) [3/3]

 そして、番組出演中、もっと古い記憶が帰ってきた。

多分、高校二年生の時のある日の教室での事だろうが・・・先述の井藤クンを始め何人かのビートルズ・ファンであり洋楽マニアが集まり、発行されたばかりの『Music Life』誌のビートルズのページを皆で読んでいた時・・・さすがに、日本を代表する音楽誌で、ビートルズのメンバーひとりひとりに“好きな車は?”“好きな俳優は?”といった同じ質問をして、メンバーが自筆で答えたグラビア・ページ!1960年代後半では、絶対実現しない取材ページだった。


その中で“好きな色は?”という質問に、ジョンやポールは、白とか黒と答えていて“あまりカラフルじゃないね”という編集者のコメントも載っていた。

ジョージは、ちょっとクセのある筆体でRellow(レロー)と答えていて、これに対し編集者のコメントは“レッドとイエローの混じった色?”というものだった。



 ジョージが好んで赤や黄、あるいは、それが混じったオレンジのような色の服を着ていた記憶は無いし、そのアンケート・インタビューも、アイドルとしてのおふざけか、ジョンやポールとは違った答を意図的に書いたのか、いずれにしろどうでもいい事だが、それ以来、ジョージの楽曲を聴くと、そのレローという色合いの植物やお茶がイマジネーションとして浮かんでくるようになった。

FMの特番中、「イフ・ノット・フォー・ユー」が流れている時、頭の中にはその混合色が浮かび、ジョージの音楽が持つ色彩を改めて感じたのである。(次回へ続く)