音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

SOUL Ⅱ SOUL(ソウル トゥ ソウル)

VOLⅡ・1990 A New Decade

(Virgin/EMI VJCP-23160)

 デビュー・アルバムが、本国イギリスから約一年遅れでヒットしたアメリカ及び世界各国の市場を意識したのか、メンバーを大幅に変えて挑んだ1990年のセカンド・アルバム。

'90年代的クラブ・ビートを創造しようかという意気ごみが感じ取れるタイトル曲や「ゲット・ア・ライフ」を始め、エリック・サティのメロディーを基に絵画のようなカラフルなアレンジをみせる「ア・ドリームス・ア・ドリーム」など、ジャジーBのアイデアが躍動する第2作。

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VOL Ⅲ JUST Right

(Virgin/EMI VJCP-28099)

 '92年のサード・アルバム。

バリー・ホワイト&ラヴ・アンリミテッドのスウィート・ソウルなヒット曲「ムーヴ・ミー・ノー・マウンテン」のカヴァーを始め、「ジョイ」「インテリジェンス」「フューチャー」など、シンプルながら奥行きのある歌詞の曲を意識的に選んだり創作したりしているセンスがニクい。

ラヴァーズ・ロック(ソフトでスウィートなレゲエ)の世界のスター、KOFI(コフィー)が参加し、そのヴォーカルが光っている。

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Volume V ~ Believe

(Virgin/EMI VJCP-25135)

 4作目として初のベスト・アルバムを発表した為、オリジナル・アルバムとしては、3年のインターバルを置いて発表される事になった'95年夏の5作目。

デビュー作の名曲「キープ・オン・ムーヴィン」のヴォーカルで、このプロジェクト・グループの看板だったキャロン・ウィーラーは、第2作目からグループを離れていたが、この5作目で久々に完全復帰。ファンを喜ばせた。

そのキャロンがリード・ヴォーカルをとる「ライド・オン」「サンデイ」などは、さすがに一味違う。

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The Greatest

(Virgin/EMI VJCP-51052)

 '98年、日本のみでリリースされたベスト・アルバム。

6作目『タイム・フォー・チェンジ』でレーベル移籍した為、'89年から'95年までのVirgin/EMI在籍時の5枚のアルバムから代表曲が選ばれている。

長い間、亜流の扱いだったブリティッシュ・ソウルと、80年代以降のレゲエの変貌ぶりを、一気に世界的な存在にした感覚が改めて理解できる名トラックばかりである。

イギリスに渡って開花した日本人ドラマー/プロデューサーの屋敷豪太(やしきごうた)が大貢献しているジャジーBのテーマ・ソング「ジャジーズ・グルーヴ」も、ここで選ばれて、再注目された。

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