音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

Deep Forest(ディープ フォレスト)

Made In Japan (メイド・イン・ジャパン)

(EPIC/SONY ESCA-8028)

 '98年7月の来日公演での、東京・新宿厚生年金大ホール(7月9日)のパフォーマンスを収録したライヴ・アルバム。

スタジオ・ミュージシャン出身の二人だが、ライヴにかける情熱とそのテクニックには定評あり、それがやっとレコードとして記録された感のする好盤だ。

3枚のオリジナル・アルバムからバランス良く代表曲が選曲されていて、特に「フォレスト・パワー」「フォレスト・ヒム」「ホワイト・ウィスパー」等は、曲の本質が初めて全貌を表したかのような熱演。

'99年にリリースされた。

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Pacifique (パシフィーク)

(EPIC/SONY ESCA-8271)

 2000年に発表された4作目のアルバムで、初のオリジナル・サウンドトラック全曲をディープ・フォレストが担当したシネマ・ミュージック・アルバムだ。

ほとんどエリックひとりの主導で、当初は、ディープ・フォレスト名儀の新しいアルバムとしてリリースする気は無かったらしいが、作業が進む内にミッシェルも参加し、しだいに自分達のアルバムとして発表可能という手応えを感じたという。

それまでのアルバムと、当然、制作プロセスが異なり、その様々な意味での“軽さ”は感じられるが、日常生活のサウンドトラックという意味のディープ・フォレスト・ミュージックの肌合いは逆に強い。

映画のほうは、アラン・コルノー監督の原題『Le Prince Du Pacifique』で、日本未公開。

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Music Detected (ミュージック・ディテクティッド)

(EPIC/SONY EICP-70)

 サウンドトラック作品『パシフィーク』を例外的作品とすると、『コンパルサ』('98年)以来4年ぶりの2002年のオリジナル・アルバム4作目(通算5作目)。

アジアに取材したワールド・ミュージック&テクノ・サウンドと、未来的なテクノ&クラブ・サウンドとが同居したディープ・フォレストならではのハイテック・ミュージックで、日本テイストの入った「ユキ・ソング」「ファー・イースト」、葉加瀬太郎(ヴァイオリン)とコラボレートした「トーキョー・ストリート」といった曲もある。

メジャー・デビュー直前の(はじめ)ちとせをフィーチャーした「ウィル・ユー・ビー・レディ」が特に素晴らしい。

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Windows (ウィンドウズ)

(EPIC/SONY ESCA-6246)

Michel Sanchez (ミッシェル・サンチェーズ)

 2nd.アルバム『ボエム』とほぼ併行して制作されていたミッシェル'94年の最初のソロ・アルバム。

日本では'95年に発表された。

 タイトルが示すように、窓から見る風景の変化や季節の移りかわりを絵のように描いたアコースティックでメロディアスなアンビエント・ミュージック(環境音楽)。

ミッシェルの弾くアコースティック・ピアノが美しい。

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Hieroglyphes (イエログリフ)

(EPIC/SONY ESCA-8272)

Michel Sanchez (ミッシェル・サンチェーズ)

 5年ぶり、2001年に発表されたミッシェルの2nd.ソロ・アルバム。

イエログリフ(古代の神聖な象形文字)をテーマにした、やはり絵画的な音楽だが、ジャズ&フュージョンやクラシック音楽の要素も豊かな優しいアブストラクト・アートのようなサウンドがミッシェルらしい。

同時期のサウンドトラック『パシフィーク』('00年)がほとんどエリックのソロ・ワークに近い内容だとすると、ふたりの音楽性の違いが明白に出ている。

その対比が、とても、おもしろい。

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World Mix Album (ワールド・ミックス・アルバム)

(EMI TOCP-8562)

DAO DEZI (ダオ・デジ)

 ディープ・フォレストの1st.アルバムのリニューアル盤『World Mix』とよく混同されるが、こちらは、エリック・ムーケと、プロデューサーのギラン・ジョンシュレとの別プロジェクト DAO DEZI '95年のアルバム。

フランスのブルターニュ地方に伝わる古代ケルト人の音楽を、エリックとギランが現代的に編曲してダンサブルに表現した異色の意欲作だ。

アイルランドとはまた違うブルターニュのケルト音楽の凄さがよく伝わるアルバムで、デネ・プリジャンを始めとするケルト・ミュージシャンの持ち味が見事にフィーチャーされている。

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Welenga (ウェレンガ)

(EPIC/SONY ESCA-6561)

Wes (ウェス)

 '96年のディープ・フォレスト来日公演に、ヴォーカリストとして参加し、強烈な印象を与えたWesのソロ・アルバム。

ミッシェル・サンチェーズが全面プロデュースしていて、もうひとつのディープ・フォレスト・アルバムといっていい程のクオリティを持つ作品だ。

 特に、発表時'97年夏に、本国フランスでミリオン・セラーを記録した大ヒット曲「Alane (アラーネ)」は必聴もの!

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