音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

1969.夏.冬1 :The Road To Woodstock (ウッドストックへの道) [3/3]

 当然、家族や同級生からいろいろと注意されたが、唯一の理解者が、僕よりふたつ歳上の、そして、姉よりひとつ年下の姉の恋人で、「君には君のウッドストックがある」、と当時二度言われた。

彼にすすめられて、1969年2月に、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリアンスの『アー・ユー・エクスペリアンスト?』を渋谷の輸入盤屋で買い、次にマイルス・デイビスをすすめられた。

彼が、どこでウッドストックの情報を得て、それをどう評価していたかも知らず、ただ妙に気が合うから、手持ちのLPを交換したり、時には一緒に暮らしてもいたが、アゲインストの風を受けている生意気盛りの僕を励ますのに使ったウッドストックという言葉…

それが、今頃になってとても意味深い新味な言葉に感じられるようになった。

(次回へ続く)

ウッドストックイメージ