音楽評論家 大伴良則の音楽のまんよう

Kenny Loggins (ケニー・ロギンズ)

Celebrate Me Home (未来への誓い)

(SONY SICP-2805)

 ジム・メッシーナと組んだ二人組チーム “ロギンズ&メッシーナ”解散後、'77年春に発表された初ソロ・アルバム。

アーシーでナチュラルな西海岸のシンガー&ソングライターのイメージだったケニーが、ニューヨークのクロスオヴァー・ジャズ& フュージョンの名キーボード奏者ボブ・ジェームスにプロデュースとアレンジを委ねた作品という事で賛否両論を巻き起こしたが、都会的で洗練されたA.O.R(アダルト・オリエンティッド・ロック)のパイオニア的名盤として、その後人気が高まった。

高品質のDSDリマスタリングで、最初のアナログLPに近い音質となり、紙ジャケットで再登場。

ライナー・ノーツも、33年ぶりに書き直す機会を得たのが僕にとっては嬉しいことだった。

▲PAGE TOP

Nightwatch (ナイトウォッチ)

(SONY SICP-2806)

 『未来への誓い』で新たな自分の才能を見せたケニー・ロギンズが、翌'78年に発表したソロ第2作目。

再びボブ・ジェームスと組んでの都会的なA.O.R.を探り、それを極めた感のする質の高い作品だ。

スティービー・ニックス(フリートウッド・マック)とのデュエットによる「Whenever I Call You(二人の誓い)」が 大ヒット曲として有名だが、大曲「ナイトウォッチ」や、ドゥービー・ブラザーズの代表曲として後に著名曲となる「ホワット・ア・フール・ビリーヴズ」など、聴き応えのある曲が並ぶ。

ケニーの最高傑作と言われて久しいが、今回の紙ジャケット再発盤で、その評価に改めてうなずく思い。

僕にとっては、発売時から、ライナー・ノーツをぜひ書きたい愛聴盤だったので、『未来への誓い』の新作執筆以上に力が入った。

▲PAGE TOP